値引き根拠不開示に「違法」判決 森友学園問題を考える会 高橋 もと子

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「森友学園への国有地不当売却」損害賠償裁判

 2016年9月、木村真・豊中市議は、豊中市内の国有地が学校法人・森友学園に売却されるということで、近畿財務局に売買契約書の開示を求めました。ところが大部分が黒塗りだったので、これを違法だとして2017年2月7日に提訴、その後、国が公表したため損害賠償請求に変更しました。この訴訟を契機に、「森友問題」が広く知られるようになります。


 一審判決では、売却金額などが不開示だったことは違法だとして、国に3万3000円の賠償を命じました。しかし、大幅な値下げの根拠とされた地下のゴミに関する部分などについては、事業者の利益を害する怖れがあるとして、不開示に違法性はないとの判決でした。


 この判決には納得できないと、木村市議は控訴。傍聴席14名の小法廷で行われた第1回控訴審では、森友学園・籠池前理事長、近畿財務局・池田元国有財産管理官、キアラ設計・杉本共同代表、森友学園・酒井元顧問弁護士の4名を証人申請しましたが、「審議は熟している」と、いずれも却下。第2回控訴審で判決が言い渡されることになりました。


 そして、2019年12月17日、第2回控訴審が大阪高裁小法廷で開かれました。判決は逆転全面勝訴。売却金額不開示が違法であることは一審判決と同様でしたが、「値引きの根拠などを不開示にしたことは、森友学園に不利益を与えるためというのは抽象的で、不開示の理由に当たらない」と、国家賠償法上違法であるとの判決。そして、不開示とされたことで、控訴人は精神的苦痛を被ったと、木村市議の主張どおり11万円の賠償金を支払うことを国に命じました。


 大阪高裁のこの判決は、当然と言えばあまりにも当然の判決ですが、三権分立が大きく揺らいでいる現状においては、きわめて画期的だと言えます。「普通に情報公開法の解釈論として私たちを勝訴させた。司法でできる限界の中では見事な判決と言える。あとは国民の責任でもあるだろう」と、木村市議の代理人を務めた大川一夫弁護士は語っています。

政治家は責任をとれ


 木村市議も参加する「森友学園問題を考える会」は、「勝訴」をまったく予想せず、「不当判決」の幟と抗議行動で使おうと「忖度判決・司法崩壊」「忖度判決・恥を知れ」などのプラカードを多数準備していたことは、SNSなどでも話題になりました。


 「この裁判が発端となり、すでに3年が経過しようとしていますが、政治家は誰も責任をとっていません。しかるべき人物にしかるべき責任をとらせるために、これからも追及し続けます」と木村市議。


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 「森友学園問題を考える会」では、豊中市内の駅頭や近畿財務局前での定期的な街宣活動とともに、真相究明と責任追及のために財務省・佐川元理財局長の国会証人喚問を求める署名活動を行っています。


 また、2月22日(土)14時から、アクア文化ホール(豊中市立文化芸術センター中ホール)にて、集会「政治の『底割れ』と社会の『劣化』」(仮題)を開催します。

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